談志・談春親子会/歌舞伎座/2008/6/28
三時間考えましたが、歌舞伎座の三階席の階段を出口に向かっておりたときの気持ちを表現できることばがみつかりません。
これほどの大舞台で、これほど切ない親子会をすることになろうとは、立川談志の筋書きにはなかったかもしれないのです。
《演目》
慶安太平記 立川談春
やかん 立川談志
~中入り~
芝浜 立川談春
三時間考えましたが、歌舞伎座の三階席の階段を出口に向かっておりたときの気持ちを表現できることばがみつかりません。
これほどの大舞台で、これほど切ない親子会をすることになろうとは、立川談志の筋書きにはなかったかもしれないのです。
《演目》
慶安太平記 立川談春
やかん 立川談志
~中入り~
芝浜 立川談春
仁左衛門というと「富樫」のイメージがあって(浅黄の衣装がそれは似合う)、最初、弁慶は三津五郎(これも海老蔵襲名披露の代演の印象が強い)だと勘違いしていたのですが、よくみたら仁左衛門だったので驚きました。富樫は勘三郎、玉三郎の義経も珍しいので、ミーハーながらこれは見ねば!と二回目の幕見トライアル。夜の部全部みてもよかったのですけれど、「勧進帳」は、花道全部といわずとも七三が見えないとつまらないので、立見。
ええ、いい弁慶でした。理由は以下に。
《配役》
武蔵坊弁慶 片岡仁左衛門
富樫 中村勘三郎
源義経 坂東玉三郎
このブログは、どうしたものかなあと思っていて更新を控えていたのですが、これはどうしてもここできちんと残しておきたい気持ちになって、エントリーをいたします。
ここ一年ほど、あまり頻繁に落語会に足を運んでいるわけでもないので、偉そうなことはいえませんが、今日の独演会は少なくともこの一年に聴いたものの中では最高でした。志らく、復活です。
《演目》
○子別れ 上・中・下 志らく
~中入り~
○落語長屋
《演目》
○反対俥 立川笑志
○寛政力士伝 三遊亭円橘
○紙屑屋 三遊亭好楽
~中入り~
○浮世床 三遊亭小遊三
○漫談 松元ヒロ
○金玉医者、艶笑講談 立川談志
三本締
全日程同じ演目という良心的な企画だったので、千秋楽をとりました。
歌舞伎座、演舞場という例はあるわけですが、国立劇場での独演会については不勉強で知りません。チケット代もパルコよりは安いし、演目も、新作・古典いずれも十八番、掘り出し物(ケレン入り)の三席で、パック旅行のようなサービス内容でした。
《演目》
○バールのようなもの 志の輔
演奏
○八五郎出世せず 志の輔
~中入り~
○三遊亭円朝作・政談月の鏡 志の輔
《演目》
○厩火事 談春
~中入り~
○らくだ 談春
「厩火事」は「替り目」と並んでもはや十八番といえると思います。
「らくだ」。わたしは談春の「らくだ」を聴く機会が今までありませんでした。「らくだ」はらくだ本人が死んでいるところから始まるので、らくだ本人を演じる場面はありません。しかし、らくだがどういうやつであるか、というのは結構重要なのだということが、今日きいていてよくわかりました。談春の「らくだ」はらくだ以後ではなくて、らくだの存在が不可欠なのでした。
らくだはいやなゴロツキです。乱暴で、人の弱みに付け込む。
どれだけ嫌われているやつなのか、という点はまず前半でかなりくわしく説明されました。そのことがあってのち、香典を出し惜しむ大家や月番に死んだらくだのかんかんのうを踊らせるという、さらに性質の悪い嫌がらせをして恐喝するまでが前半。恐喝するのは兄貴分の賽の目の半次、泣きながら請け負うのがくず屋の久さん。
前半の半次のアクの強さは、談志の迫力に談春の自前の活きのいい無頼が加わって、なかなかかっこいい。
後半、酒が入ってくず屋の人が変るところが見せ場ですが、ここで談春はかなり大胆な場面転換をします。通常は、くず屋の酒癖の悪さだけがクローズアップされますが、談春版は強面の半次が突如泣き上戸になり、ふたりの立場が完全に入れ替わってしまうのです。
この場面転換は、「付き馬」に似ています。馬でついてきた牛太郎のパートナーが、ずるがしこい客からはや桶屋にかわるところです。さらに「らくだ」の場合は、全く取り得のないらくだが、実は苦労人でかわいそうなヤツだったというふうな、泣き上戸による涙の解釈も始まるのです。
落合の焼き場までかなりの距離があるにもかかわらず、このふたりにかかった魔法がとけないのはやや不自然ですが、この「らくだ」の後半の展開は、前半と違って、どちらかというと志の輔に近い、現代的な東京落語になっていると思いました。こぶの下げはあまり面白くないけれど、久々に聴いた談春は引き出しを増やしていて、新しい展望が感じられたのです。(texted by brary)
○千早振る 志の春
○踊るファックス 志の輔
~中入り~
○柳田格之進 志の輔
「柳田格之進」は、いきなり五十両がなくなったところから始まります。すぐに番頭の口から「柳田様」と出てくるのでわかるのですが、ちょっとびっくりです。
しかしそこにはなにか訳があるに違いない。貧しい浪人の柳田が、ふとしたことから碁好きの大店の主に出会い、いけない、いけないと思いながらも碁を打ちに通うところをすっぱり端折ってじっくり演ろうとしているのはどこなのか。
それも間もなく出てきます。ふたりが碁を打っているところに届けた五十両がなくなったのを、柳田の仕業と疑う番頭が柳田を問い詰めるところ。その柳田の応答です。柳田についての説明は、貧しいということ以外それまで一切ないのに、ここで柳田がどういう人物であるかが観客にはわかります。そのため、番頭も少し狡猾、軽率にデフォルメされていますが、柳田は金を盗ってはいない。誇り高く、言い訳をせず、きっぱりとした気性です。人望もあり、剣の腕も立つと思われます。
志の輔の「柳田格之進」はこのように、あくまでも客観的にしか描写されません。彼がひとりごちたりする場面はないのです。その気性について補うのは、濡れ衣に切腹するであろう父の心を見越して、五十両を整えるため吉原に身を売ろうと申し出る娘でした。彼女はこういいます。「父上の、武士のお志は商人にはわかりません。」
年が明けて、仕官を果たして見違えるように立派な拵えになった柳田が、まだ娘を吉原に置いたままであることや、ハッピーエンドとなってその娘が番頭と一緒になったりする理不尽な筋書きも直されていました。失せた五十両は店側の粗相だったことがわかって、柳田が主人と番頭の首を切ろうとし、それをしないとき、そばにいる娘が父と二人を赦します。硬骨漢柳田格之進は、娘を軸にして心根を見せるのです。本当に見事です。(texted by brary)
「文七元結」です。今夜はこの「文七元結」についてぜひ書かねばなりません。すばらしい。志らくの軽さが最高によい形で出たと思います。
《演目》
○浮世根問 志ら乃
○洒落小町 志らく
○三軒長屋 志らく
~中入り~
○目薬・義眼バージョン 志らく
○文七元結 志らく
まず何がよいといって、人物設定の大変クリアなところ。佐野槌のおかみが特段によい。彼女は人物です。話は博打にかまけて仕事をしない左官の長兵衛の娘お久が、吉原に自ら身を売るところから始まるわけですが、彼女を請け負ったおかみの度量がとても大きいので、まず大晦日までお久の身が安泰であることに安心できる。つまり長兵衛が受け取った五十両は、お久の身売りの金ではなく、彼女をかたにとった借金である。安泰だが厳しいお金です。
そして吾妻橋の場面。長兵衛が江戸っ子の見得で、掛取りの五十両をなくして身投げしようとする文七に懐の五十両をくれてやるという「見せ場」なわけですが、ここがいいんですよ。「見せ場」にしない。あたりを震撼とさせたりしない。長兵衛と文七のやりとりはむしろ喜劇で、長兵衛は何とかしてやりたいが、いきなり五十両を渡さない。その金の値切り方のいいこと。しかし長兵衛のそそっかしくて何とも説明のつかない江戸っ子なところが存分に出る。
夫婦で着物が一枚しかないような、それで娘が吉原に身を投じるような話であるのに、陰惨さはひとつもなくて、何でまたかっきり五十両なんだというようなご都合主義の展開を上手にすくいながら、無理やりな人情はカットしています。しかしながら、カラっとした人情のおかしさが聞き手を幸せにする。
地口で締めずに、「吾妻橋で鐘を放ったのが最後の博打だった」という新たな下げは必ずしも成功していませんが、この「文七元結」は、彼の演目では「富久」に匹敵するものでした。久々に、おなかに電球のともる落語を聴きました。この落語は志らくでしかできないと思います。
もうひとつ、「目薬・義眼バージョン」は全編何のストーリーもない。実にくだらない。この目茶々々さもたまらない。
(texted by brary)
わずか二日前のことなのに、演目が思い出せない・・・。思い出したら追加します。喬太郎の一席目、よかったはずなのに。
白鳥という人は大好きなのですが、落語はどうしてもちょっと。なぜかと考えると、彼はボケとつっこみをひとりですべてに対してやるからで、ボケだけでスカっと抜いてほしいところをまた繰り返す。これがくどい。最初はよいのですが、段々に疲れてしまうのです。お好きな方には申し訳ないけれども。
たとえば漫才に近い感じ。漫才はだいたい15分ぐらいです。なので、白鳥の落語もそのぐらいならばちょうどよいかもしれない。30分はつらい。
なので、ふたり揃うと喬太郎の「間」が引き立ってしまいます。それと喬太郎の面白さは距離感にあります。ものごとに対する批判的、シニカルな目線が、構造としてしっかり立っている。なので、多少それそうになっても軸の中に戻ってくる安定感があります。(texted by brary)
《演目》
トーク 白鳥・喬太郎
喬太郎
給水塔の幽霊 白鳥
~中入り~
与太郎カーナビ 白鳥
竹の水仙 喬太郎
七段目。眼福です。芝居とはこんなに面白いかと思います。
《配役》
○大星由良之助 中村吉右衛門
○お軽 坂東玉三郎
○寺岡平右衛門 片岡仁左衛門
由良之助といったら誰を思い浮かべるかといえば、もう吉右衛門しかいないでしょう。このスケール。「鬼平」なのはごめんなさいです。キャラが同じなのですから。集団でいて、特別の衣装を着ていなくたって絶対由良之助にみえる。ああ、もう決めせりふの決まることといったら。天井にいるお軽をはしごから降ろすところのやりとりも面白い。吉右衛門の江戸紫の着流しと、玉三郎の藤色の打ち掛けのコントラストもまことに美しい限りです。
そして玉三郎のお軽。
玉三郎は別格なので、若いころから好きでしたが、ここ数年の玉三郎の「年増の演技」とでもいうものは実に面白い。大人のウイットに富んでいると思います。この人、内面が完全に女です。男の人がみてどう感じるのかわかりませんが、女のわたしからみて大変共感できる。女だったらそう突っ込むだろう、というふうに動く。
玉三郎のせりふで度々笑いが起こるのは、(まるで落語のように)さもありなん、というつれなさだからなのです。
仁左衛門の寺岡との兄妹のからみも、これはもう息があっているといいますか、お馴染みのファンにはたまらない成熟したコンビネーションを堪能できます。仁左衛門の寺岡は、妙に屈折したりしないで妹を思い、亡き主君を想うので、由良之助の大きさが際立つような気がしました。ここをみると、前幕の菊五郎の勘平の影が薄くなってしまうようでもありますが。
久々の歌舞伎座、当日券で入りましたが、当日券は最後までキープした三階席のよいところを売るのだということがわかりました。二月八月はあまり客が入らないといわれていますが、二月の歌舞伎座は楽しいキャストの狂言が多かったりもするのです(団十郎、仁左衛門、玉三郎の三人吉三も二月でした)。おすすめ。(texted by brary)
今日気になった演目は「短命」です。談春で「短命」を聴くのははじめて。談志の「短命」が非常に好きなので、やはりそこまでの迫力はないけれど、聴いていて気がついたことがありました。
談春は亭主をやらせるとものすごくいい。たとえば「替り目」「芝浜」。たとえば女の口から言えば、「あの人頼りないしすっとこどっこいだけど、悪いやつじゃない。ああみえて結構かわいいとこもあるのよ。」みたいな(まるで「替り目」の亭主が言うようなせりふですが)、なんかとても単純でいい感じがある。
これは、女が上手いからなのかもしれないのですが。というより、女を持ち上げているところが彼の中にあるからかもしれないのですが。
ごはんをよそうとこ、いいですねー。ディテールを繰り返しながら、女房のほうもまんざら悪い気がしない、という感じがだんだん出てくる。なので、談春の「短命」の女房はなかなかいい女かもしれず、その分サゲがちょっと弱くなるのではありますが、ハッピーエンドとして充分楽しめるのでした。(texted by brary)
《演目》
○宮戸川 談春
○短命 談春
~中入り~
○たちきり線香
今日は離れた席からききました。
談笑の演目は帰りにちょっとみただけで正確ではないかもしれませんが、百川の叙々苑&ベトナムバージョン。「百川」とわかったのは、六本木叙々苑でベトナム人の店員が暴力団一行に呼ばれたとき、演者がそう言ったからですが、絶妙のタイミングだったと思われます。談笑がいると、一門会のピリピリした雰囲気がかなりなごむ。すごいぞ談笑。
談春のめくりをみたとき、談春がこんなところに出てくるんだ、という何かすごいオーラを感じました。目下大変なことになってしまっているので、必要以上に偶像化されているのかもしれません。賢い人なので、本人はそこを崩そうとしているように思いますが。
噺は鼻声ながらきれいにまとまっている。
師匠は去年の亀有の会に近くて、都心の独演会とは違った明るい高座。名残を惜しむように、最初から最後までとても丁寧にサービスしてくれる。わたしはそれも何だか淋しいのですが。
演目は「やかん」。「やかん」は先ごろ度々かかります。根問ものですから噺にコクがあるわけではないのですが、今日じっくり聞いてみて、「やかん」は講釈と並んで師匠のとてもシンプルな要素なのではないかと思いました。それはイリュージョンであり、クリティークである。構造を作り変えるのではなくて、クリティークを重ねてゆくことでひとつの構造になる。
ラベルの「ボレロ」のように、根問いをかけてどんどんばかばかしく、しかし鋭くなってゆくところに迫力が生まれる。
それは、たぶん弟子がまだ追いつくことのできない談志の真骨頂なのではないかと。
あまり類型化するのもはばかられますが、立川流三羽烏が師匠から受け継いだものは、志の輔が葛藤、志らくが落語に対するリスペクト、談春は切なさなのではないかと「エンタクシー」を読んで思いました。だから、もし師匠がいなくなったとき、一番心配なのは談春なのです。(texted by brary)
《演目》
○一目上がり 志の吉
○いらさいませ(?百川) 談笑
○小言幸兵衛 談春
~仲入り~
○やかん 談志
たとえば今が1970年代ぐらいで、寄席に出ている芸人だったらこの人はもっと楽に高座にあがっていたのではないかと思いました。円生のようにきれいでもなく、小さんのように安定もせず、可楽のようにちょっとアナーキーでありつつももっと人気のある大看板。そういう姿が、寄席の狭い高座にいたら、どんなふうだったか想像しました。
しかし、そうしなかったから今日の立川流があったのです。
マクラの内容は、志の輔絶賛に終始しました。「ほかの師匠の弟子だったら嫉妬した」とまでいう「稀有な落語」は生まれなかったかもしれない。志らくも、談春も。そのような大仕事に費やしたエネルギーがいかほどであったか、襟元が決まらないほど痩せた体にあらわれているような気がしました。
でも独演会は重すぎます。一門会では力が入らない。
師匠、寄席に戻ってくれないだろうか。(texted by brary)
《演目》
○あくび指南 談志
○笑い茸 談志
○蔵前駕籠 談志
~仲入り~
○付き馬 談志
おまけ
○三方一両損(帰宅後、『談志の遺言』にて)
《演目》
○開口一番 らく次
○湯屋番 志らく
○突き落とし 志らく
~中入り~
○粗忽の釘 志らく
○鼠穴 志らく
らく次。(ごめんなさい、演目が思い出せない。)前回よかったので期待したが、
今回はいまひとつ。しかし彼はくさくないのでいいと思います。高座でもめがね
をかければいいのに(円蔵をみよ)。
志らくはなんだかジェットコースターみたいでした。ばーばー溢れている感じ。
ちょっと前まであった、突き抜けるおかしさがない。全体が浮世ばなれして、ふわふわ浮いているので、湯屋番の若旦那のおかしさとか、粗忽の釘の極端におっちょこちょいなところが薄れてしまってもったいない。
なので、却ってよく聴けたのは「鼠穴」。富豪の兄が弟を厳しく思いやり、それを夢の中でまだ疑う暗い話ですが、屈折がどろどろしすぎないで、講釈のようにさっぱり聴かせました。
語りおろしをしているいないにかかわらず、ピン以外の高座のほうがいい感じがするのはなぜかな。志らくにとって「ピン」はどういう席なのか、ちょっとわからないパート3なのでした。(texted by brary)
思い立って当日券を買いました。
○開口一番
○薮入り 立川志の吉
○火焔太鼓 橘家円蔵
~中入り~
○三味線漫談~宮本武蔵 国本武春
○漫談 松元ヒロ
○鮫講釈 立川談志
二つ目らしい羽織姿の志の吉は前回「初天神」をききましたが、こどもがとてもかわいい。志の吉自身かわいいですから。でも熊さんがなかなかよかった。こどもが可愛くて仕方がないという感じ。彼は余計なものがついていないから、安心して聴けます。円蔵「火焔太鼓」、なんだかなつかしい落語を聴いたような気がしました。あまりに頭に染み込んでしまっている志ん生、志ん朝の「火焔太鼓」をベースにいじらずに、でも「円鏡」らしいつっこみで上手にはずしながらの一席でした。三百両をもらってあわてるところがやや冗長であるものの、上手いです。落語の主人公は庶民なんだもんなあ。
談志はかなりつらいです。ここ数年のにっかん飛切スペシャルは毎年とても出来がよかったのですが。講談ものを多くかけるようになったのは、ある意味では消極的選択のような気がしますが、それはそれでファンとしては嬉しい。でもやっぱり口座姿に明らかに精彩がない。
今まで前売りで入っていたので気付きませんでしたが、この会は一般招待がとても多いようです。師匠が最後に前回の「ひとり会」でも披露した隠語づくしの言い立てをしている最中、下ネタへの「抗議」のためかたばたと席を立つ中高年婦人が約二十名。知ってか知らずか師匠は顔をあげませんでしたが。
当日券も余っているし、目の前にキープされた席が二列も空いている。談志になったとき、司会者ほか主催者がそこを占領したのですが、入場券を買っている客の前に陣取っているのはいかがなものか。一番中央寄りにすわったひとりはしきりに頭を動かすので、隣の女性は見えづらそうでしたし。
まあ文句はこれくらいにして、今宵の金星は松元ヒロ。前回の飛切登場で談志絶賛でしたが、今回輪を掛けてアナーキー振りを発揮、爆笑に次ぐ爆笑。「北××で核が作れるんですか、みなさん?工場みました?それなら再春館製薬のドモホルンリンクルですよ」云々、椅子から落ちそうになりました。これほどアナーキーなのにいやらしさを感じさせない芸風とはいかなるものでしょうか。松元ヒロはライブでしか聴けないから、気をつけて追いかけねばならないかもしれません。(texted by brary)
家元の独壇場は、毎年一月の終わりに厚生年金会館で開かれていました。10月国際フォーラムという会は例にないことなので、なぜかな、と思っていました。厚生年金みたいな会ならば考えてしまうのだけど、有楽町だし10月は「ちょうど」ひとり会もないし、ということで申し込んだのでした。
浅墓というほかありません。「ちょうど」ないのではなく、「わざわざ」ないのでした。この会は、家元の古希のお祝いのために企画された会だったのです。ステージにも客に配られたカードにも謳われていましたが、そんなうたい文句を超えて、周りのみんなが心を揃えてしたことだったのです。
久々に黒紋付を着て「居残り」を語り終えた高座の上下から、同じ三蓋松の紋をつけた立川流一門総見参。そして似合わない薔薇の花束。師匠はもちろん知りませんでしたが、黒紋付を着てもらったのには、そういう理由があったのです。
売れっ子落語家がこの日のためにひとりも欠けることなくスケジュールを合わせていた。壮観。それは溜息の出るような光景でした。
《演目》
○やかん 立川談志
~中入り~
○居残り佐平次 立川談志
先日の「ひとり会」で思ったことなのですが、確かに談志の迫力は衰えています。ついこの間までみせてくれた、腹の底にどすんと来るような高座に出会える確率は減っている。従って、有無を言わせぬ完成度の高座にはならない。しかし、だからこそ見える断片に、立川談志がいるような気がするのです。
今日ならば、やかんの言い立て。出ない声を枯らしての言い立ては百戦錬磨、白髪の講釈師のようです。そして居残りが無責任極まりない調子のよさでぺらぺらと喋っているとき、テープに残る30歳そこそこの談志の声がしました。映画「落語野郎」(駄作です)に出てくる談志そのもの、生意気で達者。いのどんの馬鹿馬鹿しさに大笑いして、気付くと何だか目元が危ういのです。ああそういえば、亀有のやかんには佐平次がいたのでした。
今日は出だしからやさしかった。だからといって老境を迎える師匠ではない。相変わらず嫌味を言って愚痴をこぼして、またいつもの談志に戻るのでしょう。もはや絶頂期ではありませんがしかし、今の談志は知らないものを見せてくれます。12月にひとり会がないのはきっと読売ホールがあるからで、東京での独演会を選んでいることがわかります。最後は里う馬師匠の音頭で三本締め。今年の談志は聴き時です。(texted by brary)
追記:談春の顔が隣の志らくの倍ぐらい(従って師匠の三倍)になっていたのが心配。
仔細あって、年内の落語会は談志ひとり会のみと決めました。談春も、落語研究会も、にっかん飛切スペシャルも、研鑽会も行きません(大泣)。さらに、今回は9月、10月のあと、1月16日が第三夜と、まるで私の都合に合わせてくだすったような日程です。
まくらもジョークもほとんどない、演目エントリーでの高座でした。
《演目》
○明烏 談志
~中入り~
○死神 談志
○明烏。二席目は「死神」と予め知らされて聞く明烏。どう考えても死神の方が濃くなってしまうのではないか、こんな明るい噺はどうなのか、と思わないでもなかったのですが、若旦那を連れた一行が吉原大門の見返り柳に差し掛かる頃から、俄然華やかになりました。遣り手婆がいい。談志師匠の女はあまり好みではないのですが、この遣り手はいかにも色町の大年増らしい、ちょっとしつこい色香がいい感じで出ていて、真面目いっぽうの若旦那を面白がる風情がとてもよい。大旦那にしても同じですが、脇にいる人に話しかけるところはスカっとするほどうまい。
それから町内ワルの兄貴分、源兵衛。このキャラは談春がぴたりと思いますが、今日の師匠はやつれもみえず、如才がなくてまあまあの男前というふうな源兵衛を、さらりと演じました。やはりひとり会で聴いた「つるつる」の一八に通じるものがありました。彼の軽さが、明烏の高座を一気に明るくしました。あがってから度々登場する文楽師匠の高声早口も、スイングするトリオのアドリブのように無理なく入る。花魁も悪くない。早く終わってリクエストがあったら、「二階ぞめき!」と声をかけてしまいたくなる明烏だったのでした。
○死神は、一昨年のひとり会でもかけています。このときは、背筋が寒くなるぐらいの凄みがあったと記憶したので、こわごわでしたが、今日は不気味さは前回ほどではありません。
しかし、死ぬことがわかった男の取り乱し方、死神の冷酷さはやはり比類がない。これほど怖くなければ、最期に死神がろうそくを吹き消す下げは成立しないと思います。
演芸場の高座は、うしろに縦長の細かい障子がしつらえてあり、出入りにきれいな書割がある檜の舞台です。一席目、酒肴が揃った明るい座敷にみえたのが、死神の最後では細い障子がろうそくに見えた。死神に連れられて寿命の穴倉に入っていくところの色彩といい、今日の高座は非常にビジュアルでした。今まで気付かなかったことですが、この人が今怪談噺をしたらどんな風になるのでしょう。(texted by brary)
転失気 志らく
抜け雀 志らく
レビューまで十日もあけたので、演目が・・・。五点採点法で4点、3.8点をつけさせていただいたこの二つしか覚えていない・・・。
プログラムをさがして後日書きます。
《演目》
○湯屋番 らく次
○岸柳島 志らく
○汲みたて 志らく
~中入り~
○鮑のし 志らく
○ねずみ 志らく
今回から、ネタおろし、ほとんどやらない、たまにやる、十八番の四本。やはり十八番の、ナンセンスに溢れた鮑のしが圧倒的に志らく。
今日の収穫は実はらく次。最近、外の売店ではなく高座でみるようになりましたが、今日はとてもすっきりして力があり、素直なのびしろのようなものを感じました。立川流の孫弟子系では志の吉が唯一くさくない気がしていましたが、らく次、注目です。(texted by brary)
《演目》
きくお/白鳥(おばさん部隊)/翁家和楽社中(太神楽)/花緑(宮戸川)/小朝(代書屋)/小菊(粋曲)/いっ平(浜野矩随)
~中入り~
たい平/木久蔵(正蔵伝)/正楽(紙切り)/三枝(宿題)
三枝師匠初の東京寄席出演、ということでミーハーに参りました。
特別興行のため、非常に豪華。4時間あっという間でものすごく楽しみました。楽しかったなあ。
光っていたのはたい平。ホールよりのびのび、「笑点」のうさを晴らすような爆裂ギャグであったまる。
しかし桂三枝ですよ。真打とはこういうことですよ。東京の寄席に出るという緊張感もよく、真近できくと、全体に大物感が漂っている。「宿題」は創作落語で、こどもが塾で出されてきた難しい問題に頭を悩ます管理職のお話。不勉強でしたが名作といわれているそうで、よく考えてみると(難題→悩む→たずねる→がっかり)というパターンの繰り返しは単純で面白く、本当によくできていると思いました。
志の輔らくごも確かに面白いけれど、どこかで飽きるというか、予定調和的な閉じた感じがしないでもないのですが、三枝の新作はすーごく気持ちよく落語な気がします。
こういうことになったのも、東西落語研鑽会のおかげだと思うので小朝師匠には感謝なのですが、落語はつまらないんです。(texted by brary)
長講二席。
《演目》
○初天神 柳家一琴
○ちきり伊勢屋 立川志らく
~中入り~
○与話情浮名横櫛 立川志らく
プログラムの一番に「落語 お楽しみ」と書いてあるのではてなと思うと、前座ではなく一琴。師匠小三治の十八番ですが、この初天神は楽しかった。最近聴いたのでは三三、志の吉がありますが、彼らが半纏を引っ掛けた若い職人という匂いがするのに対して、一琴のおとっつあんはジャージにダウンを着たいまどきのとうちゃんみたいな感じ。職場では主任さんぐらい。
そういう「ふだん」がいいし、子どもへの愛情がとても自然。それに、屋台の飴やだんごをなめるところがうまくて、愉快でいながら決してやりすぎず汚くない。しかし、だんごの間や上に串が出てるところのなめ方は細かかったり。子どももかなりデフォルメしているので、却ってかわいいし。
とてもほどよさを心得ているようで、感心しました。
志らくの二席、これはものすごくよかった。滅多にかける噺ではなく、ふたつとも聴くのは初めてですが、ドラマを語るとものすごくいい。全く飽きさせず、魅了する。
これは映画と関係があると思います。
「ちきり屋」も面白かったのですが、切られ与三、よかったねえ。与三郎自体はわりと情けない男に描かれているのですが、出てくる人物描写のすごいこと。木更津の親分の眼の身震いするような怖さであるとか、ちんぴらの荒んだ感じとか。しかもそこから一瞬のうちに変わるお富がいい女に見えるし。
あと島抜けした与三郎が、実家の前で木更津のおじさんに会うところ。人に知れないように鼻緒を結びながら与三に情をかけるとこ。これは講談の世界。
本日ここまでと言われたら、明日も必ず聴きに行くだろうという満足感でした。
《ちきり伊勢屋》
富裕な質店伊勢屋の跡取り伝次郎、堅物で通っているが周囲に縁談を薦められ、当たると評判の占師に人相をみてもらう。先代が強欲だった報いで来年二月十五日に死ぬと出たので店を閉めてそこらじゅうに施しをしている最中、死のうとしていた母娘を偶然助ける。最後の日々、身代を潰すまで豪遊するが死ぬ気配はなく、乞食となったある日大道に身を落とした占師に遭遇。品川に行けと言われて行くと、今は立派な質屋を営むかつて助けた母娘に出会い、娘をもらってめでたしめでたし。
(texted by brary)
「あ・うん」以後、古典落語が好調だそうですが、今日はさほどはじける感じもなくて、わりとおとなしい内容。愛宕山は志らく向きではないかと期待していたので、まだ先によくなっていく気がします。志らくの幇間好きだなあ。
《演目》
開口一番 らく八
長屋の花見 志らく
首提灯 志らく
~中入り~
悋気の火の玉 志らく
愛宕山 志らく
4日の一門会で、談春=志らくの「子ほめ」リレー落語があったというのをかくらん堂さんからうかがっておりましたが、志らくとしては近年最高の出来だったそうです。一門会では師匠はあまりよくないが、弟子が張り切るのでぜひ行きたかったので大変残念。
なぜか次回から指定席になるパートⅢは次回で終了。しかしまた一年、ネタおろし+十八番+たまにやる演目+ぜんぜんやらない演目で続けるそうです。最低二月に一度は志らくをきく、というのは精神衛生上よい気がするので、嬉しい。にぎわい座や三鷹も行けばもっといいんですけど。でも、今月もう一回あるんですけどね。(texted by brary)
毎年中央会館で行われる東京音響の会では、じっくり古典をきかせてくれます。一昨年は徂徠豆腐、昨年は妾馬。今年は蜆売りでした。今人情噺を最も気持ちよくきかせる落語家は、志の輔なのではないかと思います。
《演目》
○初天神 志の
○壷算 志の輔
~中入り~
○蜆売り 志の輔
幕前でまずは二人のトーク。これが一番面白かったかも。
《演目》
青春残酷物語 三遊亭白鳥
似顔絵漫談 晴乃ピーチク
すみれ荘201号室 柳家喬太郎
えー、プログラムとして変でしょ?二人会なのに落語一席ずつで、中入りなし。
これは恐らく、白鳥のその後の予定(キンカ堂前発の夜行バスでラジオの仕事のために新潟に行くので、その前に家に帰ってお風呂に入る)によるものであると思われます。あと、ヤマハホールは時間に厳しいらしい。
というようなことは、すべて喬太郎師によって明らかとなったのです。
しかも白鳥はちょっと長すぎて、ピーチク先生はご高齢でちょっとつらくて、持ち時間が25分ぐらいになっている喬太郎はホテトルの歌、アンサー編、老人イメクラと三曲歌い、ひとりでフォロー奮戦しているのでした。
ネタはつくどころではなくて、テーマがあるということが前段で初めて明らかとなる。「青春時代」。
喬太郎「この着物は文七元結のつもりで」
はまんざら嘘ではないかもしれません。古典をやるつもりだったのでしょう。銀座だし。
面白かったけど、ちょっと残念なのでした。
あと、ヤマハホールはやっぱり狭すぎる。(texted by brary)
《演目》
○寝床 談春
~中入り~
○三軒長屋 談春
「三軒長屋」はよくできた噺だと思うので、みせどころ、聞かせどころが沢山ありましたが、剣術指南の楠先生と鳶の頭政五郎の談合シーンが実にいい。その前に鳶の若い衆のやりとりをさんざんきいているのですが、頭は断然違います。あの眼、ね。先生に耳打ちするところの何ともいえぬ茶目っ気と色気とそこそこの押し出し、これはさそかし女にもてるだろうと思います。楠先生のとぼけた真面目さも大変よくて、前段をたっぷり演ったあと、非常にテンポよく下げまできかせてくれました。
華やかな会場の前から二列目のど真ん中という席でどぎまぎしましたが、コートを脱ぎつつふとみると、後方に仲畑貴志さんをお見受けしたのでありました。(texted by brary)
「北とぴあ」は北区のホールですが、「ほくとぴあ」と読みます。普通は「きたとぴあ」ですよね。ずっとそう思っていたので、指摘した談春師匠に賛同します。しかし「北とぴあ」はなぜかいつも楽しい。今回チケットをとった大きな理由のひとつでもあります。
《演目》
○初天神 立川志の吉
○三方一両損 立川談春
~中入り~
○片棒 立川談笑
○へっつい幽霊 立川談志
志らくはまくらから常に爆笑ですが、噺に入っても必ず笑えるという安心感があります。今日はそうでもなかったのですが、「代脈」(医者の門番が代脈にやられる噺)で、サゲにつながる「仕込み」(お嬢さんのおできを押すとおならが出るから押さないこと、という医者の注意)を忘れて、途中でいきなり電話をかけるところで爆笑をとってしまいました。
おまけの一席は、「暮にやった落語会では伝説的な演目」というので「芝浜」かと思えば「包丁」。おまけにやる噺ではないですね。ピンは全部ネタおろしなのでやむをえないともいえますが、これが一番よかったかな。
志らくの「包丁」は、寅が全然だめな奴なのが面白い。包丁は、師匠の談志が若かりし頃「ひとり会」できなくて、本家三遊亭を呼んだということで知られていますが、難しいのは端唄のところだったといいます。しかし志らくをみていると、所詮寅みたいな破落戸の酔狂なのですから、別にうまくなくてもいいのかも。
志らくはひたすら助平にやっておりまして、そんな奴と年増が一緒になろうというのは無理があるけど。ただし、亭主が帰ってきて「出刃包丁を出せ」というところで、うっかり「返せ」と言ってしまったのはだめですね。サゲが生きません。(texted by brary)
《演目》
○開口一番 らくB
○代脈 志らく
○樟脳玉 志らく
~中入り~
○火事息子 志らく
○包丁 志らく
《演目》
○開口一番 金原亭駒春
○(どうしても思い出せない) 林家きくお
○がまの油(エスパニョールバージョン入り) 立川談笑
○一文笛 林家正蔵
~仲入り~
○松元ヒロ
○風呂敷/二度目の清書 立川談志
開口一番、話し方と居住まいがあまりにきれいなので何者かと思えば、名人三木助の孫。(先ごろ亡くなった先代の甥)寄席に行っていないので、こういう人を知りませんでしたが、とにかく口跡が図抜けていい。落研口調と一切無縁、早口でなくウケに行くでもなく。まだ前座のようですが、彼は注目です。
覚えているのが十八番だけなら、落語だけなら。それを名人芸で披露するだけなら。
しかしそれでは五代目立川談志とはならなかったのでした。あまりにも盛り沢山なそのエネルギーを維持することの過酷さを思う。精彩も巧さも、よぎる一瞬はあっても辛かった。師匠は多分、私の五千倍ぐらい辛いと思う。(texted by brary)
《演目》
○青龍刀権次
~仲入り~
○付き馬
○二度目の清書
もちろん期待しました。わたくしは、「お見事!」と言いたい。
《演目》
○紺屋高尾(後半) 談春
~仲入り~
○芝浜 談春
《紺屋高尾》万止むを得ない理由でハナからきけず非常に残念。入場すると久蔵は既に登楼しておりましたので、正面のドアの前で後半のくだりをきかせていただきました。
イヤ、笑いました。平林ってあんなに面白いんだっけ?
ひらばやしさん宛の手紙を託された小僧が、誰に渡すんだかわからなくなってあちこちの人に読み方を訊く、という噺ですが。以下フルテンポで。
小僧「あ、学生さんだ。訊いてみよ。」
学生「あーなんだ?」
小僧「学生さんは、勉強ができるんでしょ?」
学生「僕の行ってる学校は偏差値が3だ」
何てばかばかしいんでしょ。
松山鏡で、興奮して言葉がピョロピョロになっていくところとか、掛取りの「諸芸」描写とか、ほんとにナンセンスの極みで別に練れた笑いではないのですが、とにかく暴発。やたらに肘でハナをこする、志らく落語のキャラのおにいさんはヤマ場で出てくるし、客席はただひっくり返っておりました。志らくの地声は志ん朝に似てるのに、物真似が似てないのはどういうわけか?(texted by brary)
《演目》
開口一番 志らべ
平林 志らく
穴泥 志らく
~仲入り~
松山鏡 志らく
掛け取り 志らく
何だか変な感じしか残らないのはなぜだろうか。
見る側のコンディションの問題(見づらくて、痛い首を曲げていた)かもしれません。ときどきある「はずれ」でないことは確か。しかし、(「らくだ」という噺の特性はあるにせよ)今日は表情に比べて高座が暗すぎる。(texted by brary)
《演目》
○疝気の虫
~仲入り~
○らくだ
期待半ばで行きました。区の催しだし、営業でスタンダードナンバーをやる、ファミリーコンサートのようなものだ思って。ジャズメンをなめていました。あまりすばらしかったので、どこがすばらしかったか書くことにします。
大人のコンサートだったのです。
客層の中心は50代から60代。共白髪のご夫婦も大勢お見受けしました。図書館に一枚ずつポスターが貼ってあるほかには、区の広報にしか載っていない催しなのです。でも、応募はがきは定員の倍以上あったそうです。(わたしはラッキーなのでした。)つまり、区の広報を丹念に見ているような人がお客さん。
ステージ衣装は全員グレーのスーツにネクタイ。企画の背景を考えてのコーディネートでしょうが、なかなかシックですてきです。
レビューもワンパターンなので、自分でもちょっと飽きているのですが、この「子別れ」についてはやはり書かないわけにはいきませぬ。昨年の緊張しきった「ひとり会」とはすこしトーンの違う、しかし実り多い会でした。
《演目》
松曳き 談志
~仲入り~
子別れ 談志
やかん 談志
落語チャンチャカチャン 談志
博品館といえば、大きくはないが老舗の劇場、場所は銀座の一等地。
しかし負けないどころか、出てきたとき既に圧倒的な存在感。これは一体どうしたことか。
一席目、おしくらは田舎で女を買う噺。出端でこれだけ声を使う噺ができるというところに、脂がのっているといいますか、活力というものを感じます。本日のテーマは「相棒」(と甘納豆)。
《演目》
○おしくら
○汲みたて
~仲入り~
○明烏
爆笑系の人は別として、高座にあがるときはみな神妙な顔つきが多いものですが、この日の志らくはなぜか笑っていた。楽屋で面白いことでもあったのでしょうか。噺はどれも明るく、よい高座でした。
《演目》
○ろくろ首 志ら次
○浮世床 志らく
○千両みかん 志らく
~仲入り~
○御神酒徳利 志らく
リリオホールは後ろの席でも頭が邪魔にならず、キャパも大きすぎなくてすきなのですが。傾斜があるということは、演っている側からすればかなりの圧迫感があるようです。まるで壁のようだ、とはこの日初公演の志の輔師匠の第一声。二年続けてあった談志談春親子会が今年はないので、志の輔ということになったのでしょうか。
《演目》
○開口一番
○壺算 志の輔
~仲入り~
○ねずみ
「爆笑オンエアバトル」に出ているそうですが、見ないので知りませんでした。カンカラ、「お笑い」風な臭みのない、正統のチャンバラコントで好感度大。
《演目》
○ちりとてちん 志らら
○不精床 志らく
○不動坊 志らく
~仲入り~
○コント新撰組 カンカラ
○お若伊之助 志らく
一年前に始まったときには、ちょっと詰め込みすぎな感じもしたのですが、ゆとりを感じる三席でした。
一門会で聴いたとき、三谷幸喜のシチュエーション・コメディに近いセンスを感じたのですが、お若伊之助を聴いてそういう感じを強くしました。
《お若伊之助》
お若は評判の箱入り娘。習い事をするにも間違いがあってはと、信頼する親方に頼んで紹介してもらった伊之助とできてしまい、根岸の伯父に預けられることに。しかし手切れ金を払ったはずの伊之助が現れてお若は孕んでしまう。怒った伯父が親方を呼びつけるが、伊之助は無実。たぬきの悪さだったという話。
演りどころは、そそっかしい親方が剣術師範の伯父と伊之助との間を行ったりきたりするところ。
結果は観客には見えていて、そのとおりになるのに笑ってしまうところがシチュエーション・コメディのおかしさであります。志らく師匠、張り切ってやってました。ぜひ「堀の内」をリクエストしたいところですが、11月の百席演目をみると「芝浜」です。これは堂々図太くやっていただきたい。(texted by brary)
こんにちは。近世専門のbraryです。毎度ながら落語です。
何しろ大劇場で、しかもキャンセル待ちでとれた三階A席だからと思っていましたが、全然問題ありませんでした。しかし会場に向かうと隣の小劇場では落語研究会が!しかも帰り永田町方面に歩くと、ちょうど演芸場が引けたところで、この日我が国の国立劇場は落語が席巻していたのでありました。落語ブームか?
《演目》
金明竹 立川談笑
死神 立川志らく
青木先生 笑福亭鶴瓶
~仲入り~
文違い 立川談春
金玉医者 立川談志
地元の祭がここまで及んでいるのかと思いきや、本願寺では何と盆踊り。いつもはお化けが出そうなブディストホールの前には櫓が立って、レストラン紫水のお姉さんがお飲み物を販売。案内板もないし、日付を間違えたのかと思いました。しかし二階に上がると、自棄になった談春師匠がCDだ「文学界」だとサインをしておりまして。
《演目》
○ろくろ首 談春
○死神 談春
~仲入り~
○妾馬(八五郎出世)
ひとり円朝祭との予告に従い、お化け話を二席。本日の「死神」はほとんど講談。大きな席ではこうはしないでしょうが、まじないで足元にいた死神が消えてゆくのを、「ウルトラマンの最初のところみたいに、壁に渦巻きの穴があいて吸い込まれる」だとか、ちょっとおもしろい。最後ろうそくが消えないで、生き延びて外に出るというのは初めてききました。大川の水に映った、死神そっくりの我が身に思わず「死にてえ」とつぶやくのですが、そこでまた最初のように死神が出てくる、という怪談になっています。
妾馬の八五郎、無類にいい奴です。こいつなら、好きにならずにいられない。飲んだり食べたりのところはあまりしないで、大工でもなくて、でも家族想い。お屋敷に上がる前のおっかさんとのやりとりはちゃんと布石になっていて、一番いいのは殿様のそばにはべる妹のおつるを見つけて話しかけるところです。ここは本当によかった。いい兄ちゃんなんだもの。
正月の志の輔は、八五郎の図々しさを気風のよさに変えて出世させなかったのですが、談春の八五郎はそもそも出世も褒美も興味がない人物になっている。「五十両もらえるっていうからさ」などといっていますが、もらってももらわなくても別にいいのでしょう。お殿様も若々しくて、そもそもこういう話だったのかなあと思えるような妾馬なのでした。今回のブディスト独演会はこれにて一旦終了。(texted by brary)
近々晴れて真打の三三。独演会ははじめてです。落語は二席、夏の踊りは夕立に降られた女二態という、噺家らしいごく軽い踊り。
《演目》
○牛ほめ 柳家小たま
○不動坊 柳家三三
○夏の踊り 柳家三三
~仲入り~
○マサコ 春風亭昇太
○三味線栗毛 柳家三三
みっちりやりますねえ。本人いわく、若いのに本格派、正統派と言われるのは心外だそうで、他人がやっていないところを敢えて行っているんだということですが、そういう若さは好ましい。負けん気の強さが端々に現れています。こういうキャラなのに、昇太をゲストに呼ぶ度胸はたいしたものです。(瞬発力の昇太、三三をたてながら客を沸かせまくり。)
伸びてゆく若手は、荒削りだけれども面白かったり素質があったり、それが熟成されてゆくというのがあると思います。小朝の場合は独特の才覚があって、最初と今とがあまり変わらない気がしますけど。三三はちょっと不思議で、常にわっかが閉じていて、今の完成度が高いのに、その輪が度々に大きくなってゆくような。正直言って、江戸弁がうますぎる。しかしちいさくまとまる感じはしないのです。この人は、いじる前に落語をしっかりわかってやあている気がするな。
真打になればますます出番が増えるでしょう。彼が中盤に出てくれば、なかなかいいプログラムが組めると思います。(texted by brary)
立川談志は理屈を言わずに落語だけやっていればいい、という人がいます。気持ちはわかるが、師匠の気持ちもわかる。黙って出てきて、名人芸をやってひっこむような人でも時代でもない。それでは時間が止まってしまう。
しかしこの日の談志は落語を演りにきた、そんな高座でした。
《演目》
○浮世床~女給の文
~中入り~
○つるつる
「つるつる」の一八。一世一代の大事な夜を、気まぐれなお旦のわがままで台無しにされてしまう。演りようによっては後味のよくない噺ですが、何だろう、この感じは。何でこの一八に、こんなに惹かれるんだろう。
こういうときぐらい違うものを聴けばいいのですが。でも吉弥も聴きたかったので。
しかし感想はひとこと。
噂にきく談春の包丁、うまいっ。文句なしっ。
《演目》
第一部
○青菜 林家たい平
○火焔太鼓 立川志らく
第二部
○七段目 桂吉弥
○宇治の紫船 桂梅團治
○三味線栗毛 柳家喜多八
~中入り~
○包丁 立川談春
○夢八 桂雀々(聴けず)
今日の高座はコンディションが悪くて(舞台の冷房が故障)、「気を失いそう」になりながら、滝のような汗を散らしながらつとめたのでしたが、「お直し」はいけます。三席ネタおろし。
《演目》
開口一番 寿限無 らく太
ちりとてちん 志らく
蒟蒻問答 志らく
~中入り~
お直し 志らく
五月の「芝浜」は、おかみさんをやるつもりだったのだそうで、不本意だった由。でも、わたしはすごくよかったと思いますけど。渡辺保先生のお言葉を借りれば、あの亭主はニンに合っているといいましょうか。
今日よかったのは「野ざらし」と、「付き馬」の早桶屋のおじさん。
《演目》
○野晒し 談春
○蒟蒻問答 談春
~中入り~
○付き馬 談春
師匠を高座で見るのは久しぶり、と考えたら厚生年金以来でした。普段若手を見ているから、歳をとったなあといつも最初には思うのですが、はなし、特に落語が始まるとそんなことを忘れます。
この日は独演会でないので、短い噺。でも嬉しい演目でした。
《プログラム》
○道灌 立川風吉
○人物模写 高田文夫・松尾貴史
○昭和の名人を語る 立川談志
~中入り~
○座談会 立川談志 山藤章二 高田文夫 松尾貴史 林家たい平
○よかちょろ 立川談志
長い出囃子の中入り後、いきなり噺を始めた談春。「ねえ、起きとくれよ、お前さん」。え?
《演目》
○文違い 談春
~中入り~
○芝浜 談春
この度の談春、凄いです(私の中では現在進行形)。
「今日は談春じゃないんだ、俺は志らくだ、白鳥だ、もうひとつおまけに喬太郎だ。」とパンフレットにあります。
「頑張れ。ガンバル。」枕を振らず、終演後の幕は上げませんでした。
枕でさんざん身の回りのネタを振ってみて、見立ては3分の2が談春の客、残りが始めての客。とっくり聞きたい人はお寺に来てね、ということで選んだ「普通の噺」は、小さん、談志、円生という三人の先人へのオマージュでした。
《演目》
○棒だら 談春
○短命 談春
~中入り~
○百川 談春
文珍の会は土日、西の方で多いので行けないのですが、かわら版でみつけました。主催は民音。会員以外にはあまり宣伝していないとみた。だって会場の半分しかお客がいない。でも、毎年あるらしいです。
《演目》
○こんにゃく問答 桂 楽珍
○住吉駕篭 桂 文珍
○三味線漫談 内海 英華
○百年目 桂 文珍
~中入り~
○七度狐 桂 文珍
そういう会なので、あまり凝った噺をするでもないのですが、昼夜で六席とは大変なパワー。さすがと思うのは「百年目」。商人のはなしはやっぱり上方でやると違いますね。番頭さんもいいが、旦那がいい。物分りがよすぎるでもなく、小言もあってなお人物。「帳面調べさしてもらいました」、凄みがあります。
ついでに言うと、この噺をしたときの文珍師匠の着物がすごかった。黒と渋い茶の大変モダンな縞ですが、高座で着こなせる人はなかなかいないでしょう。(texted by brary)
ぎりぎりになって行けることになって電話すると、割といい席があいている。亀有とはいえ、志らく・談春でこの入りはちょっともったいない。
《演目》
○明烏 談春
○天災 志らく
~中入り~
○白井権八 談春
○富久 志らく
中入り後の二席はいずれも昨年に聞いたはなしですが、今日は志らくだなあ。富久、百席のときもいいと思ったけれども、そのときより楽しくなっている。いいなあ、楽しいなあ。富久は志らくの十八番になるでしょう。
ふたりともマイペースながらキャラクターが違うので、比較はしませんが、談春にとって志らくは何となく「天敵」な感じがします。談春は屈託するところがいいんですけどね。(texted by brary)
厚生年金でやるのは、やっぱり無理があるかもしれません。師匠にとって思い出の場所ではありますが、イベントであって落語会としては難しい。そのように本人も言っていて、「もうやらないからね」とのことですが。
《演目》
○トーク
○子ほめ
~中入り~
○文七元結
去年のこの会できいた「徂徠豆腐」がそれはよくて。今日は上手の四列目。中入りで席を立つと、狭い廊下の向こうからジーンズ姿の談志師匠が。(この会場はなぜか楽屋が上手にあるのです。)膝がわりのジャグラーのあとに出てきましたね、家元。
《演目》
○つる 立川めんそーれ
○猫の皿 立川志の輔
~中入り~
○ジャグリング
○漫談(ジョーク) 立川談志
○妾馬 立川志の輔
ジャグリングの若者は、投げるボールが3つを超えると落とす危険な腕前だったのですが、贅沢なお年玉がついてたちまち場内温まる。志の輔のまくらは文楽と能見物の話、まくらなのに早くも火がついているのは、楽屋に師匠がいたからなのかもしれません。
《妾馬》
大工の八五郎、女中奉公に出ていた妹のつるが殿様の世継ぎを生んで、お屋敷から招かれる。気性を気に入った殿様が八五郎に士分を与える。めでたしめでたし。
「妾馬」は、お屋敷で酔っ払う八五郎が見せ場の噺ですが、ともすると図々しさが鼻についてしまいます。志の輔の高座をみていると、そういういやらしさがない。なぜかといえば、「湯屋番」のようなひとり芝居じゃないからなのです。そこに殿様がいて、従者の田中三太夫がいて、おつるも出てきて。演じているのは志の輔ひとり、今は八五郎が喋っているのだけれど、ほかの人がいるのがみえる。べろべろに酔っていても、場の緊張感みたいなものがあるのです。
八五郎が図々しく思えるのは、勝ち馬に平気で乗るようなところにもある。後味がよくない。しかし、志の輔の八五郎は断るのです。「侍になったら大工ができない」と固辞する。どうしても聞き入れてくれない殿様、みかねたおつるが助言するとすぐ了解するのですが、これが「鶴の一声」というのが下げ。出口ロビーの演目に妾馬の文字はなく、「八五郎出世せず」と書いてありました。そうだよね。だからすっきりしたんです。
幕がなかなかおりず、下りるに下りられないのは係の不手際かと思えば再び大師匠が登場です。
「帰ろうかと思ったけど、お前の芸に釘付けになったよ。よくやった。志の輔、文句なし!」
自分の高座座布団を下げさせて、志の輔師匠は恐縮しているのですが、ようやく降りた幕の向こうでお辞儀をするふたりの背中が、ぴったり同じシルエットで連なるのにうたれました。今朝一番で、根津の権現様にお参りしたのですが、ご利益だな、きっと。(texted by brary)
今年何度か行われた還暦の催しのファイナル。新作13席、4時間に及ぶ長丁場で、会場を出ると既に日も暮れている。脳味噌も身体もへとへとですが、楽しかった。円丈は中トリで「夢一夜」、大トリで「月のじゃがりこ」の二席。どちらも今年の作ということですが、この「じゃがりこ」がすばらしかった。既に3時間あまりが経過して、客席にも疲れが漂っていたのに、聴かせました。
《出演者》
再生される人 三遊亭円丈
再生機構委員 夢月亭清麿、柳家小ゑん、春風亭昇太、柳家喬太郎、林家彦いち
門弟一同 三遊亭らん丈、白鳥、小田原丈、、天どん、 ぬう生
12月のリビングの「芝浜」は、もはや第九のようなものになっているのですが。やっぱり「芝浜」かあ。
《演目》
○漫談 談志
○粗忽長屋 談志
~中入り~
○芝浜 談志
ミーハー心をくすぐるのでぜひ観たくなり、歌舞伎座へ。
話はひとりの色男をめぐる、辰巳芸者の恋の鞘当て。熟練コンビが威勢のいい啖呵を斬るのがみどころ。
○芸者仇吉 玉三郎
○丹次郎 段治郎
○芸者米八 勘九郎
初見の演目ですが、ストーリーが単純で、年の瀬にはふさわしい華やかさです。ただ、玉三郎はいいのですが、勘九郎の米八はかなりトウが立っており、情人を盗られた悔しさより意地がで喧嘩を売っている風です。ふたりの芸者を行き来する男もさほどの器量ではない(どういう男なのかよくわからない。仁左衛門なら色気で充分いいんでしょうけど。)軽いコメディといった感じでしょう。
でも、色がとてもきれいです。上手の仇吉は山吹の胴裏のついた藤色の紋付。帯は白の博多献上で、帯揚と襟に紅がさしてあります。対する下手の米八は江戸褄の黒、真中に白地に縞の着物、茄子紺の羽織姿の丹次郎。すっきりしていいなあ。歌舞伎の色彩は本当によく考えられていて、楽しいです。実生活では粋すぎて難しいけど。(texted by brary)
体調がよくなかったので、終わったらすぐ帰って熱いお風呂に入るつもりでした。しかし気がつけば霞ヶ関から銀座通りまで歩いていて、帰るなり着替えもせずにパソコンを立ち上げています。
《演目》
開口一番
座右の銘? 柳家喬太郎
漫才 昭和のいるこいる
火焔太鼓 桂 歌丸
~中入り~
鈴ヶ森 立川談春
女給の文
~忠臣蔵二度目の清書 立川談志
一層痩せて小さく見えた談志が、終わる頃には独演会だったのか?と錯覚するほど会場を圧倒しました。ひとり会第三夜で感じたものが、ほんとだったと知らされたよろこび。落語をしない時期があり、演目に逡巡する時期があり、絶句して。師匠は今や引き出しを全部開けてみせてくれることにしたようです。文楽師匠は煙草入れをしまう特注の箪笥の引出しをあけては、自慢したり楽しんだりしていたそうですが、談志師匠の引出しにはたくさんの芸と芸人が詰まっています。
小引出しをいくつかみせてから、徐に開けた「女給の文」では柳亭痴楽をベースにしたあと、談志コリアンバージョン。
「二度目の清書」はもちろん講談です。かすれ声でありながら、講釈師になりたかったという立川談志の、立て板に水のような口跡の惚れ惚れすること。(談春がんばれ!)終わった瞬間、ぞくっと総毛立ったのです。いいもの聴いたなあ。
「談志百席」でやったものを、これから師匠は自由に高座にかけるでしょう。一度は諦めた北とぴあですが、やはり立ち見でもいくべきか。
マニア受けじゃなくて、面白いものは今でも誰でも面白いのだということが観客の反応でわかります。立川談志の今に立ち会えて、私は幸せです。来週またあえる。(texted by brary)
P.S.トラックバックしてくださったおまささんによれば、喬太郎の演目は「夜の常套句」。聴く機会がなくて詳しくないので。ありがとうございます。
歌舞伎はもっと見たいのですが、5時間となると一日がかり。今日は仕事帰りにふらっと歌舞伎座に行き、夜の部を二幕みて参りました。来春勘三郎を襲名する勘九郎の最後の舞台は新作二本。
みなさん、今月の夜の部は見ものですよ。
立川談志が「今」に満足しない落語家だということはわかっていたつもりでも、心底わかっていなかった。今日高座に上がったその姿は、今では比類のない「名人」のそれである。行き着くところまで行って、それを壊して失敗することもままあるが、完璧な出来がある。想像を絶する丹精の賜物を持っている、ということでわかっていたつもりになっていました。ひとり会第三夜は、大団円ではなかった。その先がありました。
《演目》
○唖の釣 談志
~中入り~
○死神 談志
○酢豆腐/夕立勘五郎 談志
前回第二夜はせわしない感じがありましたが、本日は間に色物や休憩を入れて上手にプログラムされておりました。内容はといえば、桜木町まで来た甲斐があったというものです。実にいい「富久」でした。
《演目》
○たぬき 立川志ら乃
○子ほめ 立川志らく
○曲独楽 三増れ紋
○洒落小町 立川志らく
~中入り~
○富久 立川志らく
並んだ甲斐がありまして、第二夜。
《演目》
○芸談、夜店風景(鈴々舎馬風)
洒落小町 談志
~中入り~
○つるつる 談志
しばらく前からスカパーの「ホームドラマチャンネル」で「おりんさん」(原作『志ん生一代』結城昌治)を再放送しています。元は昼の帯ドラ、主演は生き写しの孫、池波志乃。リアルタイムで見たとき気づきませんでしたが、志ん生役の中村嘉津雄は気合の入った役作りです(おりんさんに横恋慕する兵隊寅が中尾彬なのはご愛嬌。ナレーションは志ん朝)。
ドラマは現在、売れる前のどん底の貧乏暮らし(馬生が生まれたばかり)ですが、この時代とは、イチローが塗り替えたメジャーの安打記録に名を連ねる人たちが活躍した時代なのです。
立川談志は、少なくともその時代が拵えたものは繋いでいかなければ、ということで今日まで来た人です。「どう考えても落語が一番面白いんだ。それがここへきて切れちゃうんじゃないかって、心配なんです」。今日は、かなしい高座になりました。
この会は二年ぶり。そのときもトリは志の輔で抜け雀。
《演目》
○元犬 柳家右太楼
○黄金の大黒 三遊亭歌武蔵
○天災 春風亭一朝
~中入り~
○つるつる 桂 平治
○五貫裁き 立川志の輔
「五貫裁き」は大岡政談の一。亡父に恩のある徳力屋に八百屋の開店資金を借りに行った八五郎、はした金を出されて投げ返し、奉行所に訴える。大岡越前は逆に「金子を投げた」罰として八五郎に五貫の罰金を課すが、納付は徳力屋を経由すること、と命ずる。町役を引き連れての一日がかりの納付に音を上げた徳力屋は、五十両と八百屋一軒で示談を願うという話。さすが名奉行。
志の輔「五貫裁き」のキーマンは、しかしながら店子八五郎をけしかける大家です。大岡裁きをメインにするのではなくて、終始ブレーンとして活躍する、この大家の茶目っ気と交渉力が抜群に面白い。話を変えているわけではないのに、古典がこうして蘇る。
売れるのには理由があります。(texted by brary)
P.S.アップ後一部削除しました。自分で書いておいて気分がよくなかったので。ごめんなさい。
不満だー。もっと聞きたかったー。でも楽しかったー。
《演目》
○元犬 立川千弗
○鰻の幇間 橘家円蔵
○落語チャンチャカチャン~やかん 立川談志
~中入り~
○談志・円蔵の歌謡歌合戦
なぜ日本青年館なのか?はなぞです。発売以来私の行ったすべての落語会(14日のひとり会ですら)にチラシが入っていて、チケットがさばけてないのもなぞです。
でも家元はごきげんでした。スパンコールのバンダナで。ジョークをやり、チャンチャカチャンをやり、根問いをやり、は中入り後の前ふりとしても、亀有とは別人。「ひとり会」の結果というのは穿ちすぎでしょうか。
歌謡合戦のふたりのやりとりは愉快痛快。大笑いしました。35年前のニッポン放送の番組。これほどまでにやってくれるとは正直思ってなくて、プロデューサーもそういうつもりだったのか、昔の構成(進行役のアナウンサーを入れたり、唄を流したり)を持ち出すのが結果的には余計でした。口火をきった円蔵の「よいしょっ」に相好を崩す家元。しかし調子が出ない円蔵は、ステージ左右にわかれた席を立って、談志の隣に陣取り、そこから絶好調。「もう時間ですから」という無粋な切り方に、「序盤の10分を返してくれ!」と言いたかったけど、師匠が楽しそうなので許しました。
大江戸腺の駅に向かうために建物の裏側に回ったら、楽屋口に5、6人のちいさな人だかり。感じのいいふたりの青年と話しこむ、立川談志の姿がありました。少しはなれて便乗してきかせてもらいました。「包丁、よかったろ?」手を振りながら、山藤先生、蝮さん、高田文夫氏ほか大勢の皆さんと青年館地下のレストランに消えた談志師匠でありました。(texted by brary)
演芸場を出て永田町の駅に向かう途中で引き返し、銀座まで歩くことにしました。何だか急に胸がつまり、このまま地下鉄に乗ってしまうのは勿体ない気がしたから。
《演目》
○包丁 談志
~中入り~
○道具屋 談志
○平林 談志
今日は小賢しいことを言うのはやめです。ああいう談志を見られたということだけで、もう充分。だって「包丁」と与太郎ですよ。あんなに気を入れて。入れる必要があって入れている。一番プレッシャーの強い状況で、でも一番ストレスなく演れるということが、その気の中で昇華されたとでもいいましょうか。「包丁」は談志ひとり会史上、「できない」と客に謝って、代わりに(絶品の)円生を出した演目です。
中入り後、出囃子の「木賊刈り」が長く流れる中、ぼんやりめくりを見ながら、なぜ志ん朝は死んでしまったのだろうと思いました。談志はこうして国立演芸場で懸命に落語をやっているのに、なぜ志ん朝がいないのだろう。それはあんまり淋しいじゃないか、と思えてきたのです。
嬉しそうな師匠に嬉しくて、談志の心意気にスタンディングオーベーション。大切な会なのに、関係者をあまり入れないで一般席を多くしたのは師匠の意向だと思います。キャンセルしてくれた人、本当にありがとう。(texted by brary)
困ったなあ、と思っています。まずにぎわい座。前々から行ってみたいとは思っていたけどいいですね。大きさ、雰囲気、プログラム。値段も手頃。横浜の人いいなあ。しかし近所にあったら危険。入り浸ってしまうかもしれない。
それと志らく。だって百席やるんですよ。一回三席として、5年半。毎月では厳しいが、隔月なら通えそうじゃないですか。通い始めたらやめられないじゃないですか?
《演目》
○宮戸川 志らら
○鰻屋 志らく
○太神楽 鏡味正二郎
○湯屋番 志らく
~中入り~
○柳田格之進 志らく
「鰻屋」、うまい。うなぎのぬるぬるを追うところ。こういう馬鹿馬鹿しい噺はテンポよくおっちょこちょいに演るのが一番。「湯屋番」は面白いが、若旦那が熊五郎みたいになっちゃうところが難点。
「柳田格之進」。この渋い噺を二回目でかけるのはどうか?と思っていたが、こんなに慌しくやらなくてもいいのに。プログラムを欲張りすぎ。出てくる人物の話すスピードがみな同じ。格之進の葛藤を伝える「間」が勝負なのに。
(ストーリー)実直なあまり疎まれて浪人となった格之進が、碁会所で大店の萬屋と知り合い、出入りしてもてなされるうちに、番頭が持ち帰った金がなくなり、盗んだと誤解を受ける。格之進は娘を吉原に売って金を渡し、もし出てきたら主人番頭の首をもらうと言い放つ。果たして金はみつかり、格之進が現れる・・・)
テプコ浅草館は、ROXを右に見て、国際通りの今半を左折すると、50メートルぐらいのところにあります。東京電力のイベントスペースなんだけど、ときどき小粒で渋い催事をやってます。最初に行ったのは去年の夏?落語家の写真展。新聞の東京版に出てるのをみつけた。(関係ないけど、ウチに来る朝日新聞は東京山の手版なのに、駅で買うと川の手版。駅も同じ区内なのにどうして?)
今回は閉館十分前すべりこみで、映像のほうはゆっくりみられませんでしたが、記事のコピーと写真はOKでした。主催が東京新聞なのですが、「都新聞」の記事も堂々と出してるところがすごい。写真はテーマ別になっていて、昭和の吉原の様子が非常に印象的でした。昭和33年まであったんですから、その頃落語を聞いたって、みんな「あるもの」を聞いてたんですよね。「行ったことがある」ものかもしれない。
母情報では、先日NHKで新浦安を紹介する番組でアナウンサーが、「山本周五郎の『青かべ物語』」と言ってたのだそうで、うーんそういう感じで古典落語を聞こうというのは普通に無理なのかも、と思いました。(浦安の人は左官屋?)
というわけでテプコ浅草館ですが、二階に六区と十二階があります。あと、ちっちゃいけど演芸関係のライブラリーも。入場無料なので、浅草近辺で時間調整するにはいいとこです。「ニュース~」は10月3日まで。東電、問題あるけどお姉さんは親切。東京新聞の夕刊ただでくれました。(texted by brary)
師匠、激やせなんですけど。今までで一番心配なんですけど。
《演目》
○笑いと文化について 立川談志先生
○権助提灯
~中入り~
○二人旅~万金丹
一昨年の高座五十周年以来、昨年は「遺言全集」「大笑点」、DVDボックスの刊行などで高座も好調、声も戻っていた談志師匠ですが、何だかすごく弱っているみたいなんですよ。リリオで聞くのは三回目だけど、「亀有の客じゃ~」なんていう毒舌も今回はないばかりか、オープニングはスタンダップトーク、高座の袖で着替えの披露とサービスしまくり。ジョークも渋めのさわやか路線。権助提灯でまとめてしまう。
はい、落語部です。非常に偏ってますけど。
プロデューサー制の志らくのピンPART2最終回。
《演目》
漫才 嵐山光三郎・山本容子(山本容子の三味線演奏あり)
初天神 志らく
まんじゅうこわい 志らく
~中入り~
シネマ落語 幕末太陽伝 志らく
会場は関係者でいっぱい、前売り満席。いわば千秋楽なので、それはそれでありだと思いますが、かなり内輪っぽい雰囲気。(関係ないけど私も予期せぬ知り合いにふたりも会いました。ひとりは嵐山先生ルートでの来場。)志らくはダレてないんですけど、終始笑いつづけるご婦人方があったりして、会の内容としては今ひとつでした。
本日の聞きものは「幕末太陽伝」ですね。落語をベースにした川島雄三の傑作、これをシネマ落語に直すというパラドックスはどのように展開されるのか?
今回目当ては若手の三三とたい平。小三治は久しぶり。
《演目》
開口一番
のめる 柳家三三
七段目 林家たい平
蜘蛛駕篭 三遊亭小遊三
~中入り~
青菜 立川志の吉
かぼちゃ屋 柳家小三治
三三、「のめる」はふたりの男が互いの口癖(「これで一杯のめる」「つまらねえ」)に罰金をかけるこっけい噺。気持ちのいい江戸前の落語で、噺をいじりすぎず丁寧に演じるのでとても好感がもてました。若いが、歳をとる毎にそれだけの大きさが出る人のように思う。
三日間、銀座で昼夜落語三昧という企画。しかしながら諸般の事情によりこれを堪能できないという、「舞台部」を「落語部」にしてしまっている私にはあるまじき残念なことになりました。(いつもコメントを下さる「薬王寺便り」さんがいいプログラムをチョイスしてお出かけになっているので、ぜひご覧のほど。)
それでも無理やり時間を作って当日駆け込んだのが十字屋ホールの「落語珍品堂」。豪華な催しも多い中、普段なかなか聞けないものを聞こう!という心意気と思ってください。
《演目》
蚤のかっぽれ 三遊亭金八
羽織の遊び 三遊亭小金馬
鶴満寺 桂 南喬
~中入り~
しゃっくり政談 桂 藤兵衛
一回こっくり 立川談四楼
7月3日の一門会を聞いて、ただちに電話予約。
《演目》
開口一番 志らら
子ほめ 志らく
お化け長屋 志らく
~中入り~
そば清
シネマ落語 嵐山的真昼の決闘 志らく
志らくのピンPART2は、毎回ゲストプロデューサーを頼む方式で、ゲストのリクエストでシネマ落語のお題を決める。最後を飾る今回は嵐山光三郎。(嵐山先生は、偶然ですが筆者の真後ろに陣取っておられました。)それはそれとして、ほとんど休みもなく4席というスタミナにまず驚嘆。そして今回よくわかったのは、志らくは本当にオーソドックスな落語家であって、古典落語の普遍的な面白さをノスタルジーでなくそのまま現代で演じられる(もちろん再咀嚼しています)、奇跡的な落語家であるということでした。ああ、早く気づけばよかった。ほんとに迂闊、損してました。
談志、談春親子会はよくあるが、志らくが揃う珍しい会。
《演目》
○看板のピン 談慶
○鰻の幇間 談春
○たまや(シネマ落語 天国から来たチャンピオン) 志らく
〜中入り〜
○三軒長屋 談志
トリで出た談志、絶好調の若手が続いたせいかライティングのせいかと思ったが、出から明らかに変、三軒長屋半ばで投了。しかし立川流売れっ子真打二人は力の入った競演で、名勝負といえました。
東京での襲名披露公演二ヶ月目に入りました。まずは夜の部。ご祝儀の幕も5月の海老(伊藤園提供)から白波の柄(ヤマト運輸提供)に。目玉の助六は、襲名披露ならではの豪華キャスト。花道の見えない席からですので、正確なレビューはできないのですが。
○助六由縁江戸桜
花川戸助六(曽我五郎) 市川海老蔵
傾城揚巻 坂東玉三郎
白酒売(曽我十郎) 中村勘九郎
髭の意久 市川左団次
傾城白玉 中村 福助
かんぺら門兵衛 中村吉右衛門

素晴らしいのは玉三郎の揚巻。赤い格子の三浦屋前、白い髭をたくわえた意久(三浦屋の常連でお金持ちのおじいさん。助六=実は曽我五郎は、友切丸という刀を探している人で、その刀は意久が持っていることがあとで知れる)と、ずらり花魁が並ぶ中に、いささか酩酊しながら入ってくる。
その半ばなげやりな、あだな感じ、助六との仲を怪しんで嫌味を言う意久にきる啖呵。鉄火あり、プライドあり、上客に面と向かって悪態をつける身分とその存在感が舞台を圧倒します。どうみても、吉原随一の花魁であることがはっきりわかる。揚巻は女を売り物にする女郎だけれども、性格は実に男っぽくて、高給取りのキャリアウーマンのような感じでもあるわけです。
ネタがかぶるのは承知ですが、許して下さい。どうしても書かずにいられない。今宵の「紺屋高尾」には心底しびれました。
《演目》 ○疝気の虫 談志
〜中入り〜
○紺屋高尾 談志
「紺屋高尾」という噺は、偶然吉原の花魁三浦屋高尾に一目ぼれした紺屋職人久蔵が、3年働いて貯めた金で、若旦那との触れ込みで高尾に会いにゆき、いつ裏を返してくれるのかと訊かれて本当のことを話してしまう。それを聞いた高尾が、年季明けには女房にしてくれと言って本当にやってきて、店は繁盛めでたしめでたし、という、男版シンデレラストーリーです。
しかしながら、一介の職人がなぜ高嶺の花である高尾に会えたのか(例えは悪いが、吉永小百合が町工場の工員と見合いをするようなもの)ということが、一応矛盾なく段取られているものの、もうひとつ嘘臭いという、ぴんと来ない感じがありました。貧乏して3年働いてきたことに報いてやろうというのも、無理があるんじゃないのか?
でもですね、高尾はその瞬間久蔵に惚れたんですよ。
今日の落語で初めて納得いきました。
1年ちょっと前、NHKのBSで活弁についての結構長時間の番組があって、初めて澤登翠(さわとみどり)さんのことを知りました。澤登さんは故松田春翠のお弟子さんで、平成の世にあっては活弁の第一人者。
テレビでは無声映画のいろはに始まって、アメリカ公演の模様、ゲストトークなどがあったわけですが、第二部で放送されたバンツマの「雄呂血」(機会があったら是非観てください。映画史に残る凄まじいチャンバラ。)は実に勇壮でエキサイティング。澤登翠は二重丸チェックの人になりました。
というわけで活弁デビュー。しかしこの無声映画鑑賞会は、本日で550回という、大変長らく続いている会なのでした。今日はドタバタ喜劇大会。
ドタバタ撮影所 弁士 山崎バニラ
ラリーの突貫百万弗(主演:ラリー・シモン) 弁士 桜井麻美
荒武者キートン(1923年米、バスター・キートン) 弁士 澤登翠
新之助の海老蔵襲名です。東京公演は5月6月連続ですが、父の団十郎が急性白血病で途中休演という衝撃にもかかわらず、連日満員御礼で切符がぜんぜんとれません。天気の悪い平日なら何とかなるかも、と意を決して幕見席(歌舞伎座独自システム。一幕千円という天井桟敷)に並びました。
襲名披露興行は幹部俳優も出るし人気があるのですが、特に市川団十郎家=成田屋は歌舞伎中興の祖を輩出した家であり、文字通りのお家芸である歌舞伎十八番、口上での"睨み"(睨んで見得を切る)など見ものが多くて華やかなことでは、ダントツです。しかもお祖父さんである先代団十郎(愛称海老さま。大変な美男で人気を博した)の再来と言われる顔立ちと精悍さをもつ新海老蔵ということで、松竹のドル箱になることは当初から予想されておりました。
立川談志率いる立川流顧問、山藤章二が席亭となって開くスペシャル寄席。紀伊國屋ホールは家元若かりし頃の「談志ひとり会」の会場としてファンにはおなじみの会場です。ホール落語をやるにはちょうどいいキャパで、客席も落ち着いていて、いい大人の雰囲気でした。
談志系宇宙とは山藤画伯によると、癒し系の系ではなく、太陽系の系とのこと。立川談志の引力。なるほど。
テレビに出てくる立川談志を嫌いという人は多いでしょうが、談志は断然ライブです。18の年にイイノホールで聴いた「富久」で全身震えるほどの迫力に圧倒されたのを今も忘れることができません。
病気で往年の勢いはさすがに衰えましたし、「あたりはずれ」が多いので初めての人には勧められませんが、今日はリラックスして愉しそうに「堪忍袋」を演ってました。やっぱり巧い。(brary/2004/04/30)
《演目》
林家たい平 挨拶
立川談春 替り目
立川左談次 読書日記
座談会 山藤章二・中尾彬・高田文夫・吉川潮・談志
司会/山中秀樹
飛び入り テツandトモ
— 仲入り —
柳家小菊 俗曲
立川談志 堪忍袋
六人の会とは、春風亭小朝をリーダーに、笑福亭鶴瓶、立川志の輔、林家こぶ平、春風亭昇太、柳家花禄の六人が会派を超えて昨年結成した会。東京と大阪からいろいろな落語家を招んで芸を競う「東西落語研鑚会」をはじめ、落語台本コンクール、大銀座落語祭など落語の活性化のためにさまざまな行動を起こしている、まさに落語会の台風の目といえる存在です。
「東西〜」は既に7回を数えて大盛況なのですが、六人が揃って高座にあがることはなく、それがなぜか川口で実現。万難を排して行って参りました。
![]()
texted by brary | texted by li | その他のライブ | 能・歌舞伎 | 落語・演芸
Recent Comments