PERSONA 鬼海弘雄写真展/銀座ニコンサロン 04/4/26-5/15
銀座のニコンサロンで、鬼海弘雄さんの写真展を見ました。
先頃受賞した第23回土門拳賞の記念展ということで、平日の昼間だというのに、小さなギャラリーには思ったより多くの人影がありました。
展示されていたのは写真集「PERSONA」に収められている中から30点ぐらい。どれも鬼海さんが30年に亘って浅草で撮った、市井の人たちのポートレートです。誤解を恐れずに言うと、写っているのはどこか普通ではない人。やたらに派手だが、どこかちぐはぐな印象の服装をした痩せぎすの男。膝が悪い人。二十年間赤ちゃん人形を育てている人とその夫。どの人も、あまりお金をもっていそうにない。中には、十年以上を経て(その間もあるのかもしれない)再度登場する人もいる。
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「中国製のカメラをもった青年」(1986年)には貧乏でもまだ若くてすこしお洒落な感じもあるのに、「40歳になったという中国製のカメラの男」(2001年)の暗いまなざしをみると、この人はどんな15年を過ごしてきたのかを考えずにいられない。
スナップではないのです。写真館で写したのかと思われるほど、背景をしっかりモノトーンに据えている。(今調べたら、浅草寺境内の朱塗りの壁だった。)それらの人のファインダーに向かう目の強さは、こちらの下世話な好奇心を寄せ付けないものがあって、ガラスに反射する自分の顔がとても嘘っぽく見える。
浅草はよく行く町ですが、私はここにいる人たちをきっと見て見ぬふりをしてきたのでしょう。そうした普通人の日常の向こうに、確かに存在している人生があることを、鬼海さんの仕事は教えてくれました。(brary)


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